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平成16年度 画像保存セミナー

日本写真学会の画像保存研究会による画像保存セミナーが、10月22日に開催されます。詳細についてはhttp://wwwsoc.nii.ac.jp/spstj2/index.htmlより、「新着情報」をご覧下さい。

 画像保存セミナーは、次世代に伝えるべき価値ある写真など画像記録物の確実な保存をめざし、その知識の普及と技術の確立を目的として、日本写真学会の画像保存研究会が毎年実施しているもので、本年で21回目の開催となります。
 セミナー開始以来現在まで、日本においても、写真の記録的、芸術的価値はさらに広く一般に認識されるようになりました。それにともない画像保存に対する意識も様々な分野で高まってきたといえましょう。一方で近年のデジタルエレクトロニクスによる画像記録・形成技術の発展には目覚しいものがあり、撮影という一次記録がデジタルプロセスにより行なわれることは、もはや一般的なこととなっています。
 私たちが保存し伝承していくべき画像は、19世紀の歴史的写真から、最新の技術による記録まで広範囲にわたっていますが、当セミナーではこれらに関連した多くのトピックスをとりあげるべくプログラムを構成しております。
 例年通りセミナー終了後、講演者と参加者が自由に情報や意見の交換をして頂けるよう懇親会も設けました。画像保存に関心ある関係分野の多くの方々のご参加を頂けますよう、ご案内申し上げます。

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日時 平成16年10月22日(金)
    午前9時35分〜午後5時(午前9時10分 受付開始)
場所 東京工芸大学中野キャンパス 芸術情報館 メインホール
    東京都中野区本町2-4-7(地下鉄丸の内線・大江戸線 中野坂上駅より徒歩約7分)
主催 社団法人 日本写真学会
協賛 日本写真芸術学会 文化財保存修復学会 財団法人日本博物館協会

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セミナープログラム

9:10 受付開始
9:35 開会挨拶 セミナー実行委員長
■ 9:45〜10:30
講演1.画像保存に関する海外の学会活動について
富士写真フイルム株式会社 酒井栄一

画像保存に関して国内では画像保存セミナー等の学会活動が従来より行なわれている。 一方海外では最近の画像保存への関心の高まりを受け、本年よりIS&T Archiving Conferenceが開催された。ここでは、これらを中心とした海外における学会活動の現状について紹介する。

■10:30〜11:30
講演2.文化財保存とコロタイプ −アナログ技術とデジタル技術−
株式会社便利堂 西村寿美雄

コロタイプ技術が文化財保存に果たした役割を、法隆寺金堂壁画撮影を始めとした幾つかの事業を例に紹介する。また、アナログ技術を取り巻く環境の変化と、便利堂が現在取り組んでいる活動の内容、及び文化財保存におけるアナログとデジタルの違いを述べる。

−昼食−

■12:45〜13:45
講演3.退色画像の可視化、そのデジタル画像の保存について
東京文化財研究所 城野誠治

植物染料などの彩色は、大半が褪色し描かれていた画像すら確認できない場合もある。有機物の蛍光作用を利用し、退色画像の可視化を行い、高精細デジタル撮影により画像情報化している。様々な画像形成技術とデジタルデータの蓄積・活用について解説する。

■13:45〜14:45
講演4.博物館におけるディジタルイメージング技術の応用について
国立歴史民俗博物館 宮田公佳

文化財や歴史資料等の収集、調査、保存の過程で、様々な写真撮影が行われている。近年ではディジタルカメラの利用も拡大しているが、検討すべき課題も多い。本発表では、資料調査や歴史研究、展示におけるディジタルイメージング技術の応用について概説する。

−休憩−

■15:00〜16:00
講演5.清里フォトアートミュージアムにおける写真収蔵環境について
清里フォトアートミュージアム 田村泰男

清里フォトアートミュージアムの写真の収蔵庫・展示室について、開館以来行っている環境条件(温湿度、酸アルカリ度)のモニタリングと写真保存などの実際を紹介する。

■16:00〜17:00
講演6.奈良市写真美術館・写真保存の取り組みと現状について
奈良市写真美術館 説田晃大

奈良市写真美術館は1992年4月に開館、今年で13年目を迎える。収蔵作品の中心をなす写真家・入江泰吉の作品は、モノクロ、カラーフィルムあわせて約8万点のフィルムが寄贈された。劣化フィルムの問題も含む写真保存の取り組みと現状について報告する。

セミナー参加費(講演要旨集代金を含みます)
 日本写真学会および協賛学協会々員:6,000円
 非会員:8,000円
 学 生:2,000円

定員:165名(定員になり次第締切りますのでお早めにお申し込み下さい)

申込締切 平成16年10月1日(金)
(以上、<http://wwwsoc.nii.ac.jp/spstj2/index.html>より一部引用)