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表象とアルシーヴの解釈学: リクールと『記憶、歴史、忘却』

表象とアルシーヴの解釈学: リクールと『記憶、歴史、忘却』 (プリミエ・コレクション)

  • 川口茂雄. 表象とアルシーヴの解釈学: リクールと『記憶、歴史、忘却』. 京都大学学術出版会, 2012, 516p.

主な内容は以下の通りです。

プロローグ—孤児リクールと抽象絵画
はじめに
序 論
 1 〈記憶と表象の現象学〉へのブレイクスルー
 2 一九四九年—黎明期フランス現代思想と「歴史」の問題
 3 表象の歴史学、表象の実践哲学
 4 冷戦以後の世界で
 5 アルシーヴ—セルトーとの一度きりの対話から
 6 本書の射程とその範囲について
第1章 記憶の現象学
 導入 《オブジェクール》な分析からの出発
 1 「エイコーン」としての記憶—ギリシアの遺産から
 2 記憶の現象学的素描
 3 記憶とイマージュ
 4 個人的記憶、集合的記憶
第2章 アルシーヴに面する歴史家(I)—アルシーヴ化
 1 〈記憶〉から〈歴史〉への移行?
 2 「歴史家的置換」の諸相—空間、時間、証言
 3 アルシーヴへの対峙—史料的立証
第3章 アルシーヴに面する歴史家(II)—歴史家的表象
 導入 「歴史の認識論」と〈表象史〉
 1 〈心性史〉の隆盛と危機
 2 縮尺のヴァリアシオン
 3 〈表象史〉の認識論的冒険
 4 「代表象化」という契機
補 章 『時間と物語』における「コンフィギュラシオン」概念
 1 「コンフィギュラシオン」の概念について
 2 『時間と物語』における「再形象化」概念と、その困難
第4章 歴史家と裁判官
 1 現在時、複数性、第三者—〈歴史の批判哲学〉
 2 裁判官の判決、歴史学的判断
 3 〈過ぎ去ろうとしない過去〉に面する裁判官と歴史家 —ドイツ「歴史家論争」をめぐって
第5章 困難な赦し
 導入 〈受苦的=パトス的〉記憶の行方—「過去の表象の終末論」
 1 コメモラシオンの時代—〈記憶と歴史〉から「アイデンティティ」へ?
 2 操作される記憶、操作される忘却—ヴィシーからの困難な復員
 3 困難な赦し—行為から行為者を解放すること
終 章 忘却

出版者による紹介が以下のページにあります。
http://www.kyoto-up.or.jp/book.php?isbn=9784876982387